音楽は魔法です。現実に存在する魔法だと僕は思っています。 一つの究極な例としてはThe BandのThe Weightを挙げれると思います。 これほど神秘的で不思議な力がある曲はあるでしょうか。 今日はその謎に満ちた歌の歌詞の意味について話したいと思います。 The Weightの概要 まずこの歌の軸になっている、核心的意味を言い切るのはすごく困難だと思います。 大雑把に言えば「自分の重荷を捨てて楽にしましょう」という意味だと思います。 「The Weight」「その重み」というタイトルもその真意を案じているでしょう。 その「重み」というのはどういうものか後で考えて行きたいと思います。 The Weightの固有名詞 この歌で何が印象的かと言うと、固有名詞がやたら多いということです。 名前、地名などなどどんどん出てきます。 しかもその名前、地名は聖書に因んだものがほとんどです。 聖書との関わり ナザレ まず第一行に出てくるナザレです。 世界中でイエスキリストが生まれたとして知られている町の名前ですね。 「この歌の主人公がイエスかよ」と思わせるような歌詞の出だし。 でも実はアメリカにもナザレという街があります。 Pennsylvania州にある6000人余りが住むような小さな街です。 ちなみにその街のあたりにはBethlehem、 Emmaus、 Egypt、など旧聖書から引用した町の名前が多いです。 それでアメリカのナザレという街は何が有名かというと、「Martin」という世界中で知られているギターメーカーが本部をおいていることで知られています。 この曲は、実はそこから始まっているのです。 この歌を作詞作曲したロビー・ロバートソンは、この曲を作る際にどうもインスピレーションが湧かなくて困っていた時にふと自分のギターの穴の中を見て、Martin, Nazareth, Pennyslvania が書いてあったのを見て歌詞が浮かんできたということです。 歌に出てくる名前 歌に出てくる人の名前も聖書から来ているものが多いです。 たとえば「ルカ」。「ルカ」は使徒の一人ですね。 そして「アンナ」はそのルカの福音書の中に登場します。 「The Devil」も出てきます。 「Devil」は大体「悪夢」として訳しますが「the」がついているから固有名詞になります。その辺の特定されていない「悪魔」ではなく特定された「サタン」のことです。 ルイスブニュエルの映画との関わり そこでもう一つこの歌の原点が出てきます。ロバートソンは映画監督のルイス・ブニュエルのシュールに満ちた映画が好きでした。ロバートソンがギターに書いてあった「ナザレ」を見た時ブニュエルの映画の「ナザリン」を思い出したようです。The Weightの歌詞はその映画と大きく結びついていると言っても過言ではないだと思います。 この映画の主人公が「ナザリオ」という名前で常に善い行いを心がける神父さんです。けどどれだけ頑張っても、良いことをしようとしても、悪い結果しか出ません。キリスト教の一つの基本にしている「善い行い」の意味をを問い掛ける映画です。「善い行い」の無理さを指摘映画です。 「善い行い」の無理 この歌も同じ質問をしていると言ってもいいと思います。ロバートソン本人がいうには 「I just knew I wanted characters to unload …
ザ・バンド/ザ・ウエイト意味と歌詞和訳 Read More »