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Losing my religion和訳・解説

“Losing my religion”を直訳すれば「宗教・信仰心を失いかけている」ですので、

当然この歌を聞けば「宗教についての歌だろう」と思いがちですね。

でも実際は違うようです。

本人曰く、宗教・信仰とは関係ないそうです。

Losing my religion和訳

Oh life is bigger

生きることは偉大だ

It’s bigger than you

君より偉大だ

And you are not me

君は僕じゃない

The lengths that I will go to

僕はどこまで行くのか

The distance in your eyes

あなたの目の中の距離

Oh no I’ve said too much

あ、言い過ぎてしまった

I set it up

僕が仕掛けた

That’s me in the corner

その隅にいるのは僕だ

That’s me in the spot-light

そのスポットライトを浴びてるのは僕だ

Losing my religion

我を忘れて 

Trying to keep up with you

何とか君に着いて行こうとしてるけど

And I don’t know if I can do it

僕にはそれが出来るかどうか分からない

Oh no I’ve said too much

あ、言い過ぎてしまった

I haven’t said enough

言い足りなかった

I thought that I heard you laughing

君の笑い声が聞こえたかと思った

I thought that I heard you sing

君が歌っているのが聞こえたかと思った

I think I thought I saw you try

君が何かしようとしているを見たと思ったと思う

Every whisper, of every waking hour

全ての囁き、全ての起きている時間の

I’m choosing my confessions

僕は告白の言葉を選んでいる

Trying to keep an eye on you

貴方を見張ろうとしている

Like a hurt, lost and blinded fool, fool

傷ついて、迷って、目が見えなくなった馬鹿者みたいに

Oh no I’ve said too much

I set it up

Consider this

これを考えてみて

Consider this the hint of the century

この世紀の一番の手がかりと考えてみて

Consider this the slip

考えてみて、この滑り

That brought me to my knees, failed

僕を跪かせるように失敗させたものを

What if all these fantasies come

この全てのファンタジーが寄り添って来たらどうなる?

Flailing around

激しく揺れながら

Now I’ve said too much

I thought that I heard you laughing

I thought that I heard you sing

I think I thought I saw you try

But that was just a dream

でもそれはただの夢だった

That was just a dream

それはただの夢だった


“Losing my religion”解説

アメリカの南部の慣用句

この“Losing my religion”というのは、実はアメリカ南部特有の決まった言い回しだそうです。

びっくりしているときとか、怒った時とか、「もう耐えられない」、「えらいこっこっちゃ」「もうだめだ」という時に使う言葉だそうです。

形式として

「 I almost lost my religion」

という風に使うそうです。

意味としては「自分の信仰が揺さぶられたぐらいびっくりした・めちゃくちゃになった」

僕はこの表現を聞いたことがありませんでした。

あまり広く使われていないからだと思います。

マイケルスタイプがいろんなインタビューで説明しているぐらいなので、一部の地域の人以外にはあまり知られていないでしょう。

知られていないからこそ、マイケルがその表現を気に入ってるのかもしれません。

「Losing my religion」他はどういう風に訳せる?

この歌の訳をいくつか見てみましたが、この一行を訳すのにみんな苦労しているようですね。

中にはこういったものもありました:

途方に暮れて

信じられるものはもう何もない

正気を失って

しかし、もしこの歌が宗教と関係ないのなら、どういう意味をなしているのでしょうか。

「Losing my religion」は何についての曲か

片思い

マイケルスタイプ本人曰く、「片思い」の歌だそうです。

ここでいうlosing my religionは「だれかに思い焦がれて、自分の心はボロボロだ」ということですね。

マイケルスタイプ曰く、「だれにとっても身近ですぐに共感出来るような歌を作りたかった」そうです。

また、ザ・ポリスの「Every Breath You Take」という曲を意識して作ったそうです。

そしてこういう歌詞になりました:

歌詞の細かい解説

Oh life is bigger

生きることは偉大だ

It’s bigger than you

君より偉大だ

「life」は「人生」として訳してももいいですが、僕の解釈では全ての「生きているもの」、つまり「生」のことを表していると思います。

And you are not me

君は僕じゃない

The lengths that I will go to

僕はどこまで行くのか

この「The lengths that I will go to」を「距離」と訳している方が多いですが、「To go to lengths」というのは「どんなことでもします」「あくまでします」という慣用句ですね。

The distance in your eyes

あなたの目の中の距離

これは言うまでもなく、先の一行の「lengths」と「distance」を比較しています。

だれか憧れている人の目を見て相手が「何となく遠いな」と思うような感覚ですね。

Oh no I’ve said too much

あ、言い過ぎてしまった

ここで話し手がちょっと怖がっているのがよく分かります。

好きな人と話す時、よくこういう気持ちになりませんか。

I set it up

僕が仕掛けた

この一行がちょっと謎ですね。

何を「set up」「仕掛けているでしょうか」。

That’s me in the corner

その隅にいるのは僕だ

That’s me in the spotlight

そのスポットライトを浴びてるのは僕だ

書き直された所

この歌詞が作られた当初は、「That’s me in the corner, That’s me in the kitchen」だったそうです。

作者はかなり内気なタイプだということがよく伝わってきます。

何かの集まりに行っても、隅か台所で気になる人とは喋らずにウロウロするだけという様子が伺えます。

後に「kitchen」を「spotlight」に書き直したようです。

その一語を替えたことでこの曲の主人公が自分、マイケル・スタイプになったと言っています。

Losing my religion

我を忘れて (めちゃくちゃになっている)

もう一つの解釈

ここでもう一つの解釈もできます。

それは、ここで歌っている人はスポットライトに立つような有名人という解釈です。

この場合、ここで話されている相手は「憧れの人」ではなく、「大衆」だという可能性も出てきます。

これはこの歌の力の一つの鍵になると思います。

この歌の作者は愛されたいという願望があると思います。

ある特定の気になる人に気付いてもらって愛されたいのと同時に、不特定多数の人々に注目されて愛されたい、という二つの意味が含まれていると思います。

これらを念頭に置いてこの歌を聞くと、様々な点で合点がいき、腑に落ちるのではないかと思います。

歌詞の後半

Trying to keep up with you

何とか君に着いて行こうとしてるけど

And I don’t know if I can do it

僕にはそれが出来るかどうか分からない

この2行も一人に対して歌っていてもおかしくないし、大勢の「ファン」に対して歌っていてもおかしくないですよね。

Oh no I’ve said too much

あ、言い過ぎてしまった

I haven’t said enough

言い足りなかった

この2行の矛盾しているところが面白いですね。

また、「と思う」などを入れずに単純に矛盾していることをそのまま歌っているのが面白いですね。

I thought that I heard you laughing

君の笑い声が聞こえたかと思った

I thought that I heard you sing

君が歌っているのが聞こえたかと思った

「笑う」ことも場合によってはよかったりよくなかったりしますよね。

「笑われているかと思った」という意味もあるかもしれません。

「歌っている」というのもどういうことなのでしょうか。

「嬉しく歌っている」のか、ファンがREMの曲を歌っているということなのか、どちらなのでしょうか。

I think I thought I saw you try

君が何かしようとしているのを見たと思ったと思う

これは歌おうとして、あまり上手に歌えなかったということでしょうか。

Every whisper, of every waking hour

全ての囁き、全ての起きている時間の

I’m choosing my confessions

僕は告白の言葉を選んでいる

ここでいう「confession」はキリスト教と深く関連している言葉ですね。

「告解」として訳した方がいいかもしれません。

キリスト教では定期的に神様に「告解」し、自分がした罪を認めるというのは基本ですね。

Trying to keep an eye on you

貴方を見張ろうとしている

Like a hurt, lost and blinded fool, fool

傷ついて、迷って、目が見えなくなった馬鹿者みたいに

Oh no I’ve said too much

ブリッジ

ブリッジとして最後にこれが出て来ます:

Consider this

これを考えてみて

Consider this the hint of the century

この世紀の一番の手がかりと考えてみて

この「Consider this the hint of the century この世紀の一番の手がかりと考えてみて」についての次のような説があります。

マイケル・スタイプは自分自身が両性に対して心を引かれていたということを90年代半ばぐらいからオープンにしてきました。しかしこの曲が出た当初はそれをあまりオープンにはしていませんでした。このようなことから、この曲は自分の性的関心について案じている歌だという説があります。

Consider this the slip

考えてみて、この滑り

That brought me to my knees, failed

僕を跪かせるように失敗させたものを

What if all these fantasies come

この全てのファンタジーが寄り添って来たらどうなる?

Flailing around

激しく揺れながら

「ファンタジー」という言葉などが出て来るところをみても、性的なことを意識して書いたのかも知れないと考えられますが、あまりはっきりとはしていません。

しかし、本人曰く、曖昧でありながら誰にでも共感出来る歌を作りたかったということです。

この曲は大ヒットしたわけですから、思惑通りになったと言えるのではないでしょうか。

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こんにちは。ピータージョセフヘッドです~。4年間京都市立芸大の大学院として日本に住み、6回日本で音楽ツアーをし、Majikick Recordsから自分の音楽のレコードを出しています~。

大分昔、日本語能力試験で1級を取得しました。

日本好き、音楽好きオーストラリア人です。よろしくお願いします。

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