ペイヴメントのRange Lifeは90年代の二つのオルタナティヴバンドの20年間に渡る諍いのきっかけになった曲です。
歌詞の中に「スマッシングパンプキンズ」が出てきますが、スマッシングパンプキンズのビリー・コーガンはこの曲を聞いてとても怒りました。
ビリー・コーガンは1994年のロラパルーザに出演の際、もしペイヴメントが出るならスマッシングパンプキンズは出ないと主張し、ペイヴメントが出演出来なくなったということがありました。
問題になった歌詞を後ほど紹介します。
Range Life 和訳
Range Life歌詞解説
Range Lifeのサビ
まずサビのところを見ていきましょう。
I wanna range life
落ち着いた暮らしがしたい
If I could settle down
もし落ち着けるなら
If I could settle down
もし落ち着けるなら
Then I would settle down
俺は落ち着ける
Range Lifeというのは普段英語に存在しない言葉です。
僕は以前からこの曲が大好きでしたが、いつもこのタイトルを聞いて不思議に思っていました。
「Range Life」はどこから来ているのか
今回調べてみて分かったのですが、レンジ・ライフというのはフランス語から来ているようです。
フランス語にune vie rangeeという表現があり、「整った暮らし・落ち着いた暮らし」という意味です。
スティーヴン・マルクマスは大学時代フランス語を勉強したということもあり、その時にこの表現を聞いたかどうか分かりませんが、きっとこの表現が気に入っていたのでしょうね。
英語にもrangeという言葉にはいろんな意味があり、その中には「山脈」という意味もあります。
このためRange Lifeと聞くと、何となくのどかな山の田舎を思い浮かべます。
フランス語の「レンジ」は「整えた」という意味で全然「山」とは関係ありませんが、Malkmusはおそらくこの歌で英語とフランス語の単語をかけているのではないかと思います。
「Range Life」の意味
この歌は「落ち着いた暮らし」と「不良の落ち着きのない暮らし」を比較する歌です。
バンド活動とツアーの話、犯罪を起こす話、ラリっている話、スケボーに乗る話と「落ち着きたい」というサビ。
その中の最後に「スマッシングパンプキンズ」の話が出てきます。
ペイヴメントとスマッシングパンプキンズの争い
本人曰く、スマッシングパンプキンズの音楽を馬鹿にしようはしていなかったということです。
でも彼らの当時の地位、名誉などをちょっと皮肉ろうとしていたようです。それとスマッシングパンプキンズという名前をちょっと馬鹿にしようとしていたみたいです。まあ、「カボチャをつぶす」の意味は確かに格好良くない響きだと僕も思います。
でも「音楽を馬鹿にしようとしていなかった」としても、結構レンジ・ライフのパンプキンズについての歌詞はきつく聞こえると思います。
Out on tour with The Smashing Pumpkins
スマッシングパンプキンズとツアーに出て
Nature kids
自然の子たち
Nature Kidsというのはあまりはっきりしない言葉ですね。何が言いたいでしょうか。「自然派」の人の意味でしょうか。「才能があると思われる子たち」の意味でしょうか。よく分からないから、とりあえずそのまま「自然の子」としてやくしました。
I, they don’t have no function
俺、彼らは何も機能しない
I don’t understand what they mean
彼らが何が言いたいか分からない
And I could really give a fuck
でも気にも留めやしない
この辺はかなりきつく聞こえますね。
they don’t have no function
彼らは何も機能しない
機能しない人間と思われたくないですね笑。「機能しない」という風に人の悪口をするのがおもしろいですね。Pumpkinとfunctionを韻を踏んでいますね。
次の2行もかなりきついですね:
I don’t understand what they mean
彼らが何が言いたいか分からない
And I could really give a fuck
でも気にも留めやしない
ここでスエアワードを使っていますね。ちょっと怒り気味の口調で「でも気にも留めやしない」の気持ちを伝えていますね。
Stone Temple Pilots, they’re elegant bachelors
ストーンテンプルパイロッツ、彼らは優雅な独身たち
They’re foxy to me, are they foxy to you?
色気があるよな、お前もそう思うだろ?
I will agree they deserve absolutely nothin’
俺も賛成だ、アイツらは何の価値もない
Nothin’ more than me
俺と同等かそれ以下だ
ストーンテンプルパイロッツ
ここで更にストーンテンプルパイロッツという当時のオールターナティヴ系のバンドをちょっとからかっています。パイロッツはパンプキンズのコーガンほど怒った気配はないですね。
パイロツのところはもっと軽くからかっている感じがしますね。elegant bachelorsで呼んだり、Foxyで呼んだり。Elegantもbachelorはそんな頻繁に使う語彙でもないんですね。対バンを「優雅な独身たち」で呼んでいるのはおもしろいですね。
「Foxy」という言葉はもっと珍しいです。「Foxy」は「sexy」とほぼ同意味と思ったらいいと思います。なぜ「fox」という動物は「色気がある」と思われるか分かりませんが、こんな言葉はありますね。普段あまり男に対して使う言葉でもないんですが。。。
「アイツらは自分より偉くないぞ」という気持ちも次のところで読み取れる。
I will agree they deserve absolutely nothin’
俺も賛成だ、アイツらは何の価値もない
Nothin’ more than me
俺と同等かそれ以下だ
まあ、こういうちょっとした遊び心、皮肉った気持ちで書いた歌詞が20年以上のバンド争いの元になってしまいました。そういうこともあります!
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こんにちは。ピータージョセフヘッドです~。4年間京都市立芸大の大学院として日本に住み、6回日本で音楽ツアーをし、Majikick Recordsから自分の音楽のレコードを出しています~。
大分昔、日本語能力試験で1級を取得しました。
日本好き、音楽好きオーストラリア人です。よろしくお願いします。